舁き山 武藏坊辯慶 下絵
平安末期、紀伊の国出身と言われているが、多くのことが謎に包まれている豪傑、武蔵坊弁慶。
標題は、江戸期に多く描かれた浮世絵に着想を得ているため、旧字表記とした。
弁慶は京で千本の太刀を奪おうと悲願を建てる。弁慶は道ゆく人を襲い、通りかかった帯刀の武者と決闘して九百九十九本まで太刀を集めたが、あと一本というところで五条大橋で笛を吹きつつ通りすがる義経(牛若丸)と出会う。決闘に敗れた弁慶はその後家来となり義経を生涯命をかけて守り抜こうとする。
鬼子と呼ばれた弁慶が義経と出会うことで人生が変わり、忠義の臣として後世に語り継がれる活躍をしたことは決して昔話の中だけにとどまることではない。人と人の運命的な出会いの話と捉えれば現代の私たちにも多く思い当たる所があるだろう。
出会いの妙こそ人生の妙。
本年の博多祇園山笠を通しても、この地に多くの素晴らしい出会いが生まれることを祈念したい。
※天神一丁目流飾り山表は中村信喬が制作しています。
令和元年土居流 扇子
扇子では弁慶と牛若丸の決闘シーンをテーマに選んだ。空を切った弁慶の薙刀は「辯」の字を切り裂くほど鋭い。
扇子を光に透かすと歯を食いしばった弁慶の視線の先に、夕焼けを背にして舞い上がった牛若の影が浮かび上がる。
裏は月を背にして飛び上がった牛若丸。
令和元年土居流 手拭い
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